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[GGW3.2.1/GGH4.0] Zオーダー問題がクライアント上で発生するが,その時シャドウイングで確認すると正常に表示される.GGクライアントの問題ではないのか?

技術ノート
2012/03/09

[番号]
技術ノート KGTN 2012021701

[現象]
[GGW3.2.1/GGH4.0] Zオーダー問題がクライアント上で発生するが,その時シャドウイングで確認すると正常に表示される.GGクライアントの問題ではないのか?

[説明]
GGサーバ上で想定外の事象が発生し,それがクライアントへ転送されて,GGクライアントの動作に影響を与えた可能性もあります.従って,このことから直ちにGGクライアントの問題と結論付けることは出来ません.何を契機としてZオーダー問題が発生するのか,詳しく調べる必要があります.

補 足
(2012-02-23) GraphOn社でも継続的に再現試験 (GraphOn社のサーバおよび弊社提供のサーバで実施) を行っておりますが,未だ問題の現象が発生しておりません.しかしながら,何か手掛かりが見つかる可能性もありますので, 「現象未確認で」 開発チームへエスカレーションされました.

(2012-02-25) GraphOn社のサポート担当者が,弊社提供のサーバを使用して,現象を確認することが出来ました.この結果,本件は開発チームへエスカレーションされましたが,発生頻度が極めて低いため調査に時間がかかる可能性があります.

(2012-02-28) GraphOn社より詳しい情報の提供を求められましたので,発生環境や再現手順について説明を行いました.より詳しい調査を行うためにGraphOn社内に再現環境が必要不可欠ということで,再現環境のイメージ等の作成および発送作業を行いました.

(2012-02-29) 弊社サーバに再現環境のイメージを置き,GraphOn社がそれをインターネットを介して得ていますが,帯域制限等の影響のためかコピーにどれだけ時間を要するのか読めない状況です.なお,最悪の事態に備え,昨日イメージをUSBメモリにコピーしてGraphOn社へ発送しました.

(2012-03-01) 分割したVMのイメージファイル全てをGraphOn社が受け取りました.

kitASPで新規に Windows Server 2008 SP2 + Windows Update をインストールし,再現試験を2人で2時間実施しましたが,問題の現象は1度も発生しませんでした.さらに, Windows Server 2008 R2 SP1 + Windows Update についても新規インストールし,再現試験を2人で2時間実施しましたが,同様に問題の現象は1度も発生しませんでした.この結果およびGraphOn社での再現試験で1度も発生していないことから, Windows (更新プログラムを含みます) のインストール等に絡んで発生する問題の可能性が推測されます.

(2012-03-02) 現象が発生するマシンと発生しないマシンを差異を詳細に調べる前段階として,現象が発生するマシンで現象を再確認しようとしたところ,約2時間試行しましたが現象は1度も発生しませんでした (従来は約9割の確率で発生していました) .サーバもクライアントも同じマシンで,かつ変更も加えておりません.

これと並行して,GraphOn社でも送付したVMイメージを使用して再現試験を行っておりますが,1度も現象が発生しておりません.継続して,再現試験を行っている状況です.

ネットワークの状況に依存して問題が発生している可能性も否定できませんので,ネットワークエミュレータ Wlinee で通信速度・パケット遅延・パケット損失等のパラメタを変えて,さまざまなネットワーク状況での再現試験を開始しました.さらにウインドウの切り替えのタイミングに依存する可能性も否定できませんので,2つのアプリケーションのウインドウを交互にアクティブにするプログラム GGTestZorder.exe を作成しました.

(2012-03-03) 弊社では発生頻度が高いシナリオの発見作業,GraphOn社では現シナリオでの再現試験を行いました.しかしながら,GraphOn社では1度も現象が発生しませんでした.
(2012-03-04) ウインドウを交互にアクティブにする弊社作成のプログラム GGTestZorder.exe および方式の異なるmouseClick.exe で発生頻度が高いシナリオの発見に努めました.10回試行して2回発生したシナリオがありましたが,改めて再試験を行うと現象が全く発生しなくなりました.

(2012-03-05) ウインドウの切り替えの回数と切り替えの間隔を設定できるようにGGTestZorder.exe および方式の異なるmouseClick.exe (Mouse Auto Click) を修正しました.回数を 100 〜 500 ,間隔を 10 〜 1000ms に変えて再試験を行いましたが,4時間の試験で発生したのは僅か2回でした.

GGTestZorder.exe の間隔を 3000ms ,回数を 100回 に設定したところ,5回続けて現象を再現することが出来ました.このパラメタが本当に有効なのか分りませんが,しかし4時間で2回の発生状況が,このパラメタで連続5回発生したことは事実ですので,直ちに情報をGraphOn社へ伝えました.

(2012-03-06) GGTestZorder.exe の間隔を 3000ms ,回数を 100回 に設定し再現試験を行ったところ,右クリックで問題の現象は発生しなかったものの,アクティブになったウインドウのタイトルがグレー表示される状況が発生しました.この現象もZオーダーに絡む問題で,同じ原因に起因する可能性もありますので,この問題についても調査を開始しました.

(2012-03-07) GraphOn社で現象を再現させるため,操作手順の細かい内容やタイミングが分るようにビデオに撮影し,GraphOn社へ送りました.なお,ビデオを撮影するツールを動作させると,現象が殆ど発生しないような状況になり,現象が発生するビデオの撮影に約半日を要しました.

(2012-03-08) GraphOn社では,継続して再現試験をおこなっておりますが,問題の現象を再現することは出来ませんでした.

GraphOn社より, 「GGTestZorder.exe が終了する時に,アプリケーションがフォアグラウンドで終了しないので,その影響で現象が再現しないのではないか?」 という質問がありました.念のため弊社でテストしたところ,アプリケーションがフォアグラウンドで終了しない状況でも 「これまでのテストと同様に」 現象が発生しました.このことを直ちに,GraphOn社へ知らせました.

(2012-03-09) 「調査用のDLL/EXEを作成し,それを使用して弊社で再現試験を行い,その結果をGraphOn社で解析して作業を進める方法はないのか?」 という提案をGraphOn社へ送りました.

ファイル

KGTN2012021701.pdf (548 KB) kitasp 技術センター, 2012/03/09 11:29