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APIラッピング方式は,スクリーン・スクレイピング方式に比べ常に描画性能と高いと考えて良いか?

技術ノート
2011/12/15

[番号]
技術ノート KGTN 2011121503

[現象]
APIラッピング方式は,スクリーン・スクレイピング方式に比べ常に描画性能と高いと考えて良いか?

[説明]
APIラッピング方式ではアプリケーションが描画した命令 (API) をクライアントへ 「同期して」 転送し,それを受け取ったクライアントが命令内容に従って物理的な画面に描画します.一方,スクリーン・スクレイピング方式ではアプリケーションが描画した結果 (ビットマップの差分) をクライアントへ 「非同期に」 転送し,それを受け取ったクライアントがビットマップを物理的な画面に描画します.アプリケーションの操作ウインドウのように描画オブジェクトが多数配置された画面等では,サーバ側での描画のタイミングと同期してクライアントで描画が行われるAPIラッピング方式の方がより高い描画性能が得られます.

APIラッピング方式にも不得意な画面があります.全画面サイズの画像 (ビットマップ) を順に表示するようなケースでは,APIラッピング方式でも画像データをクライアントへ送る必要があり (1ピクセル単位に描画命令を送るとデータ量やオーバーヘッドが大幅に増加するため) ,この画像データの転送時間がほぼ描画に要する時間となります.従って,APIラッピング方式のメリットが活きる箇所が少なく,スクリーン・スクレイピング方式と同程度の描画性能になると思われます (非同期でビットマップを転送するスクリーン・スクレイピング方式の方が速く感じることもあります) .敢えて言えば,GGは全ユーザのパフォーマンスが上がるよう通信帯域を管理しておりますので,多数のユーザが全画面サイズの画像 (ビットマップ) を順に表示するようなケースでは,GGの方がトータルの描画性能が高くなる可能性はあります.

ファイル

KGTN2011121503.pdf (65.2 KB) kitasp 技術センター, 2011/12/15 10:22