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GO-Global はAPI Wrapping 方式で, Terminal Service はScreen Scraping 方式だそうだが,具体的にどう違うのか?

技術ノート
2011/08/02

[番号]
技術ノート KGTN 2011080201

[現象]
GO-Global はAPI Wrapping 方式で, Terminal Service はScreen Scraping 方式だそうだが,具体的にどう違うのか?

[説明]
1. 各方式の概要
API Wrapping 方式では,サーバ上で実行される描画命令を捕まえて,それに対応する仮想的な描画命令をクライアントへ転送し,その命令を受け取ったクライアントが画面に描画します.

Screen Scraping 方式では,サーバ上で描画された画面を監視し,決められた間隔で画面の差分を検出し,その差分をクライアントへ転送し,そしてクライアントが画面に反映します.

2. 画面再現のタイミングについて
API Wrapping 方式では,描画命令を捕まえて 「逐次」 クライアントへ転送し画面を再現します.つまり同期して画面の再現を行う仕組みで,ネットワークが混雑した状況等に於いても,アプリケーションが描画した通りの順序でクライアントの画面を再現します.この同期描画により,ユーザは描画 (画面の再現) に違和感を感じることはありません.

Screen Scraping 方式では,描画された画面を 「決められた間隔で」 差分を検出し,それをクライアントへ転送し画面を再現します.つまり非同期に画面の再現を行う仕組みで,ネットワークが混雑した状況等では,アプリケーションが描画した順序とは無関係にクライアントの画面を再現します.この非同期描画により,ユーザは描画 (画面の再現) に違和感を感じることがあります.

3. CPUの使用率について
API Wrapping 方式では,アプリケーションの描画処理に同期して,クライアントで画面の描画を行いますので,その処理の分だけCPUの使用率が通常よりも 「高く」 なる傾向があります.

Screen Scraping 方式では,アプリケーションの描画処理とは関係なく 「決められた間隔で」 差分を検出し,その差分をクライアントへ転送し,そして画面に反映しますので,その処理の分だけCPUの使用率が通常よりも 「長く」 なる傾向があります.

ファイル

KGTN2011080201.pdf (62.8 KB) kitasp 技術センター, 2011/08/02 15:12